1. しもつかれのアレンジを提唱
私たちが提唱するまで、「しもつかれをアレンジする」という概念はほとんどありませんでした。
伝統的な食べ方を大切にすることはもちろん重要ですが、カレーのように多様なアレンジを加えることで、楽しみ方の幅が広がります。また、しもつかれが苦手な方や、興味はあるけれど食べたことがない方にとっても、アレンジを通じて気軽に体験しやすくなります。
当会メンバーであり、野菜ソムリエの資格を持つ川村葉子氏には「しもつかれアレンジ料理家」として活動していただき、クックパッドに約150ものアレンジレシピをアップしていただきました。サラダ、スープ、玉子焼き、パスタ、さらにはケーキなどのスイーツも考案し、しもつかれの料理としての新たな可能性を提示しています。
2. 飲食店との共創
私たちがアレンジ料理化を提唱したことで、飲食店でも独自のアレンジをメニューに取り入れる動きが広がりました。しもつかれまぜそば、しもつカレーパン、洋食コースなど、多彩なアレンジ料理が次々と誕生しています。
私たちは、そうした動きをさらに加速させるパートナーとして、イベント化などの取り組みを共に進めてまいりました。
3. オリジナルしもつかれ焼き菓子を発売
前述の川村葉子氏が「焼き菓子製造事業」を展開していることから、しもつかれとイタリアの焼き菓子「ビスコッティ」を組み合わせた「しもつかれビスコッティ」を開発しました。
その後、甘めのパウンドケーキ風の「ガトーしもつかれ」や「しもつかれクラッカー」など、オリジナル菓子として商品展開を行い、地域に定着しています。
4. オリジナルアパレルブランド「シモツカレヤンキー」
しもつかれの「違いを受け入れる精神」を体現したアパレルブランドとして、障がいのある方やアーティストとのコラボレーションを通じた商品を展開しています。「障がい=個性」と捉え、不定期でリリースを行っています。
5. クリエイター創出のイベント「しもつかれうぃーく」
2020年に始まった、しもつかれの精神性を具現化する一週間のイベントです。このイベントは、しもつかれの精神性から生まれる表現活動の「プラットフォーム」として位置づけられています。アート、デザイン、音楽、ファッション、ゲーム、サイエンスなど、参加者の個性としもつかれの融合から生まれる作品を創作する場であり、「しもつかれクリエイター」を育成する機会となっています。
もちろん、食に関しても充実しており、伝統的なしもつかれだけでなく、アレンジされた料理や商品も数多く誕生しています。2024年2月のイベントでは、合計で「91」のコンテンツが生まれました。
6. 教育機関への広がり
幼稚園からり大学に至るまで、多くの教育機関と連携し学びへと繋げてきました。
しもつかれを学ぶということは、地域そのものを知ることになります。
料理としての知識だけでなく、そこに付随する1000年の歴史を知らなければ、伝統を学んだことにはなりません。
つまりしもつかれは、栃木県やその周辺の文化自体を俯瞰して学べるツールとなるのです。
実際に栃木県を出て他県の大学に通う学生の論文対象として、毎年5人程度レクチャーをさせていただいています。
幼稚園生や小学生には「食育」として、料理を学ぶと同時に、地域を知るきっかけにもなります。
またこのくらいの年代の子達に、自分で調理して食べることで、変な固定観念を植え付けることなく、自らの価値観でしもつかれのイメージを醸成するタイミングとしても最適な機会となります。
私たちは、毎年多くの若年層に対して、しもつかれの本質的な部分を知ってもらう機会として活動を続けています。
次回は活動歴をざっとリストとして見て行きたいと思います!