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都内某有名小学校2年生からの質問への回答が我ながら良かったのでシェアしちゃいます

by クロ
都内某有名小学校2年生からの質問への回答が我ながら良かったのでシェアしちゃいます

小学生2年生がしもつかれを深掘り。しもつかれはアカデミック領域との相性は抜群!

しもつかれブランド会議の青栁です!

今くらいの時期になると、主に大学生から「しもつかれの活動についてお話を聞かせて欲しい」と連絡が結構あります。
伝統食の中でも特殊な光を放つ「しもつかれ」に興味をいただき、研究対象として選ぶ学生さんが増えています。

でも栃木県出身の大学生がほとんどです。おそらく小さいなころの印象が強く、20歳を過ぎて振り返ってみると、しもつかれの特殊性に気がつくんだと思います。中々こんなストーリーを持つ郷土料理はないですからね。

しもつかれを学ぶことは、栃木の歴史・伝統を学ぶことにも繋がりますし、サステナビリティやSDGsにも繋がります。郷土と料理、そしてサステナブルまで一気に学べてしまうというアカデミックな素材としてはもってこいの題材なんです。

最近も那珂川の馬頭高校の水産科と「しもつかれ缶詰」を共同開発していたりもします。

しかしそんな中でも今回は特に珍しい、小学校から連絡がありました。
聞けば都内の某有名な付属小学校2年生の担任の先生から。

現在「その人にとっては、その土地らしいくらしが当たり前になる。」というテーマのもと、各地の郷土料理や名産品、風習について調べ学習を行っておられるそうです。

レベル高過ぎじゃないですか。小学2年生で考えるようなレベルじゃないですよね汗

 

そして、いただいたご質問は下記のようにものでした。

  1. しもつかれは、今の栃木の人にとって、どんな食べ物だと感じていますか?
  2. しもつかれを今後、日本中に広く知らせたい、食べてほしいと思いますか?それとも、栃木で守っていきたい食べものですか?
  3. しもつかれJAPNのサイトを見ると、さまざまなアレンジレシピや食べ方が載っていたのですが、もともとと異なる料理になっても、紹介したいと思ったのはどうしてですか?(しもつかれの形が変わってもよいのですか?)
  4. 他にも栃木県には餃子やいちご、レモン牛乳、佐野ラーメン、いもフライなど様々な名産があるのに、どうしてしもつかれについて知ってほしいと思ったのですか?

質問も鋭く、的確なところを突いています。将来有望な小学生です。僕の後継者にしたいくらいです笑

こんな素晴らしい質問をいただいたので、僕も精一杯わかりやすくお返事をしました。
その内容がしもつかれブランド会議メンバーから良い評価を得られたので、しもつかれジャパンにも掲載し、僕らの活動の理解を深めていただければと思います。

 


 

青栁の回答:

 

1、しもつかれは、今の栃木の人にとって、どんな食べ物だと感じていますか?

鮭の頭、酒粕が入っているので、好き嫌いがはっきりと分かれます。
栃木県内のイメージとしても、古臭い、お年寄りの食べ物、嘔吐物といったネガティブイメージを持つ方の方が多いです。
料理として残そうとする機運は決して高くないです。



2、しもつかれを今後、日本中に広く知らせたい、食べてほしいと思いますか?それとも、栃木で守っていきたい食べものですか?

日本中、世界中に広く知らせたい、食べてほしいと思い活動しています。同時に栃木でも繋いでいきたいものです。

 

3、しもつかれJAPNのサイトを見ると、さまざまなアレンジレシピや食べ方が載っていたのですが、もともとと異なる料理になっても、紹介したいと思ったのはどうしてですか?(しもつかれの形が変わってもよいのですか?)

まずしもつかれは料理の定義が曖昧です。主に民衆の食べ物でした。栃木県内の地域によっても素材が異なります。
よく例に挙げるのが「カレー」です。日本のカレーは各家庭で味も入っているものも違いますよね。時代でも違いますし、世界中でもそれぞの国の食べ方があります。「カレーせんべい」や「カレーチップス」などお菓子にもなっています。
なぜしもつかれはアレンジしてはいけないのでしょうか?なぜそういう思考になってしまうのでしょうか。

そこに「伝統」というキーワードがあります。
伝統はなぜか「守るべきもの」としての印象が蔓延しており、アクションを起こさなくて良い存在だと思われています。
トヨタ自動車は100年企業ですが、伝統産業とは言われません。革新を続けなれければ世界の自動車産業で戦っていけないからです。
本来ビジネスという視点で考えれば、その場で立ち止まることは「死」を意味します。伝統産業と言われている産業も、革新をおこさなければ淘汰されて当然なんです。僕らはそこを伝えたいと考えています。ビジネスとして考えれば変化することは当然なことです。

 

4、他にも栃木県には餃子やいちご、レモン牛乳、佐野ラーメン、いもフライなど様々な名産があるのに、どうしてしもつかれについて知ってほしいと思ったのですか?

しもつかれには栃木としてブランディングする必然があり、価値が高いからです。
まず栃木に1000年以上受け継がれてきていること。上記に挙げた製品とは歴史の重みが違います。
また、しもつかれは好き嫌いで語られてしまうことが多々ありますが、本質的な価値はサステナブルな精神性にあります。

  • 捨てられてしまうものから作られていたという勿体無い精神
  • 作ったものを近所にお裾分けするシェア文化
  • 他の家との味の違いを認め合うダイバーシティ

など、現在の世界の潮流でもある「サステナブル」「SDGs」そのものです。
こんな素晴らしい料理が栃木に1000年以上も継承されてきたことを広く知っていただくことで、国内外に住むサステナブル精神を持つ方々に、実際に栃木に来てしもつかれを楽しんでいただけるようになれば観光としても潤いますし、しもつかれ市場という新たなビジネスチャンスも創出できます。我々はそこまでチャレンジしていきたいと考えております。

僕らは正解不正解で考えていません。
しもつかれに関しては栃木に住む人の間でも考え方が多様です。それを正解不正解で語ってしまうから分断が生まれます。
僕らは、「こんな楽しみ方をしたら面白くないですか?」という「提案」をしているに過ぎません。提案に正解も不正解もありません。自分が面白いと思うことを提案し、共感してくれた方と一緒に楽しめれば良いと考えています。

 


 

以上が回答になります。
先生からはお礼の言葉をいただきました。

しもつかれブランド会議の活動を断片だけ見てしまうと、ノリと勢いでふざけてやっているように捉えられてしまうこともありますが、伝統は大切にしながらも伝統からの脱却も同時にチャレンジしなければ、時代に取り残されてしまいます。

まだまだ先は長いですが、しもつかれをみんなで楽しめるものとして、繋いでいけたらと考えております。

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