Home SPECIAL [特別企画]小山市OLEAとのコラボパン。「しもつカレーパン&しもつかれチーズパン」

[特別企画]小山市OLEAとのコラボパン。「しもつカレーパン&しもつかれチーズパン」

by クロ
しもつかれパンOLEA

 キッズスペースを所狭しと走り回る子供たちの元気な笑い声。その傍らでママたちは国産小麦のパンを片手に談笑する。
 小山市に店舗を構える「OLEA」さんは、パン屋でありながら子育てするママたちのサポートもしている。「こんな風にママたちが当たり前に笑える風景を作りたかった」と話す代表の笠井さん。今回、OLEAオープン2周年記念として、「しもつかれブランド会議」とコラボレーションした「しもつかれパン」2種類を期間限定で発売する。しもつかれパンをなぜ販売しようと考えたのか。笠井さんの子育て世代のママたちへの想いと共に語ってもらいました。

しもつかれパンOLEA

子育てママたちを幸せにしたい

青栁(以下青):まずOLEAを始めようと思ったきっかけを教えてください。

笠井(以下笠):自分の子育てが始まった時に、子育てで分からないことや子供と外食して騒いでしまっても大丈夫そうな飲食店が知りたいと思っても、地元でもないし親元を離れていたので聞ける人が誰も居なくて困ったんです。飲食店側はシャットアウトはしてないけれど、他の席の人が仕事をしていたり、新聞を読んでいたりする中で子供が騒ぐと、抱えて外に出なくてはいけないので安心してくつろげなくて。意外とそういう(くつろげる)場所がないと思っていました。今は自分の子育ては落ち着きましたが同じ境遇のママたちが多いのではと思い、子供がいくら騒いでも大丈夫な場所を提供したくてOLEAを始めました。

青:パン屋をやることが目的ではなくて、ママたちの場所を作ることが目的だったと。

笠:ママたちの食事風景としてあるのが、子供用の椅子が用意されていないお店だと、片足に子供を乗せてラーメンを食べさせたりとお行儀悪いけどやるしかなくて。もしくはパパが先に食べてからママが食べるとか。そう考えると片手で食べられる簡単なものが良いと思い、パン屋、ドーナツ屋、サンドイッチ屋などを考えていた時に、国産小麦や無添加生地を使ってるパン屋さんがあって。相談した結果、共同でやることになりました。

青:パンなら片手で食べれられるし、持ち帰りもできますね。

笠:ぐずった時に途中でしまうこともできます。「子供が泣き止まないから包んでください」「上の子が通う幼稚園から電話が掛かってきたので、急いで迎えに行かなければいけなくなった」と言われることも多いんです。刻々と変化する子供の状況に合わせてママが臨機応変に対応できるように、イートインも含め全てのパンを持ち帰り用として提供させていただいてます。

青:本当にママたちに寄り添ったシステムになっていますね。ママたちの幸せを中心に考えた発想が素晴らしい。

笠:ママたちも子供が可愛いのは大前提なんだけど、毎日一緒に居ると子供のいたずらにイラッとする時もある。そういう時にOLEAに来ていただけたら嬉しいです。パパは500円の牛丼食べてるけど、ママが1000円でパンやコーヒー、ジェラートを食べて家に帰って、パパを笑顔で「お帰りなさい」と迎えられたら家庭も平和じゃないですか(笑)。

青:平和ですね(笑)。

笠:そういう意味でも、ママのちょっとした「息抜きの場」として使ってもらえたらと。ちなみにOLEAって「オリーブの実」のラテン語で、オリーブには「知識」「平和」などの意味もあります。OLEAのビジョンとして、「知識」は子育てに関しての知識共有の場としてありたいのと、「平和」は家族の平和の役に立てればと考えています。やっぱりママが笑顔でいることが家族みんなの幸せに繋がります。

 子育てをしていると、世の中から取り残された感覚になるんです。私は妊娠してから出産直前まで働いていましたが、出産後は急に家の中だけの狭い世界になってストレスを発散できない状況になります。そんな時に外出して、他の子を見ることでもストレス解消になります。例えば「ウチの子だけ、どうして落ち着きないのか」と悩んでいるママがいたとして、OLEAで食事した時に他の子を見ることで「ウチの子より落ち着きない子もいるんだ」と認識して落ち着いたり。一人で家に居ると正解がないから考えすぎちゃうこともあるんです。

青:子供と二人だと主観的になりがちだけど、他の子と相対的に見ることによって客観的に見れるようになるのかも。「自分の子供これで良いんだ」と。それでちょっと安心する。

小山市OLEAパン
小山市ベーカリーOLEAキッズスペース

笠:キッズスペースには念のため小さなドアを付けて、小さな子は出れないようにしてあって、ハイハイやテクテク歩きの赤ちゃんを遊ばせておいても、ママが安心して食事ができるようにしてあります。

 OLEAの建物の設計をした時に、業者さんに「キッズスペースを奥にレイアウトして、食べるところを一段高くしたい」と相談したら反対されたんです(笑)。「子供がバタバタと遊んでいるようなホコリっぽい中で食事できないですよ」と言われたんですが、私は「ママたちはそのバタバタした中でいつも食事をしていますよ。だからこの場所は絶対に必要です」と押し通しました(笑)。最初は全てキッズスペースにしようかと考えましたが、中には生まれたばかりで寝ている赤ちゃんもいるので、新生児用としてソファー席も設けました。

青:なんとなくのイメージで設計しちゃうところを、笠井さん自身の経験を生かしながら「どうすればママたちが快適に過ごせるか」に徹底的にフォーカスしてデザインしたんですね。まさに家の中の現状これですよってことですもんね(笑)。埃っぽいとかじゃなくて「これだから」って(笑)。

笠:あと、飲食チェーン店などではトイレにオムツ台が付いているところもあるけれど、そのトイレが使用中だと開くまで待たなければいけない。OLEAは独立した「オムツ替えスペース」と鍵がかかる「授乳室」を設けています。

しもつかれパンOLEA

青:一人で来店するママも居る?

笠:そうですね。私は一人で来た人が安心できる場にしたいんです。実は行政のママ支援センターとかもあるんですが地元色が結構強くて、他県から引越してきた人にはちょっと入りずらかったりするんです。でもOLEAであれば「私はパンを食べに来たんです」とキッズスペースに入る理由ができる。私はその理由を作ってあげたくてパン屋にしたのもあります。キッズスペースにはおもちゃもあるので、例えば知らないお友達とおもちゃの取り合いのケンカをしたりすると、知らないママたち同士の会話のきっかけになる。「何歳ですか?」「どこに住んでますか?」「近いですね。小学校同じになりますね」となって、LINEを交換していたりする。そういう姿を見かけた時に「よし!」って思います(笑)。

青:新しい出会いを創出してるんですね。

笠:私がそうだったんですが、子供が生まれてから4年間は知らない土地で友達を作ろうとしても本当に難しくて。当時住んでいた千葉のヨーカドー内にあるプレイルームに、誰かと友達になりたくて意味もなく通った時期もあります。自分の体験を生かして、行く理由を作りやすい場所としてパン屋を選びました。

青:しっかりとママたちの感情をデザインしていますね。自分の体験から人と人とを結びつける設計までしている。パン屋は「手段」としてコミュニケーションを生むためのツールとして考え、本質は「ママたちの感情をどうデザインできるのか」にフォーカスしているから、そういう設計になるんだなと。社会貢献しながらしっかりとビジネスにもなっている。

笠:私が育児で悩んだときに、年配のカウンセラーさんに相談したことがあるですが、「メソメソしてるんじゃないよ!笑っているママが子供は一番好きなんだから」とアドバイスされたんですが、それが私には響いちゃって(笑)。そこから現在の猛スピードに駆け抜ける感じが始まりました(笑)。

青:吹っ切れたんだ(笑)。

笠:私はあの時のカウンセラーさんのおかげで吹っ切れたから、私も同じことで悩んでいるママたちを受け止めてあげたいというのがずっと夢だったんです。

 現在働いてくれているスタッフは元々ママ友で、私はリーダーとして仕事はするけど主婦としての知恵はスタッフの方が上だったりする。とても助けられています。

青:良い関係。

笠:そうでなかったらきっとやっていけてないです。私が気付かないところに気付いてくれたり、来店したママたちの行動を見て改善できるところは自分たちで動いてくれたり。ママとしての視点を持っているからこそ見えることがたくさんあるのかなと。

青:お客様として来店するママたちの気持ちが、スタッフもママだから理解できるんですね。それは強み。今後も続けることでママたちの満足度も高くなり、ママたちの拠点としてより認知されることで社会的な価値も高くなりますね。

小山市OLEAパン
OLEA外観

笠:週3くらいで通ってくれていたママが「子供が来年から幼稚園だからOLEAに来れないかも」と言っていたのに、土日にわざわざ子供を連れて来てくれたりすると、遠い親戚のおばちゃんみたいな気持ちになって(笑)。成長した写真とか見せてもらえるとたまらなく嬉しいんです。妊婦さんが産まれてから赤ちゃんを見せに来てくれたりとか本当に嬉しくて。

青:コミュニティとして儲けを考えずに運営している団体や施設はあるけれど、OLEAさんのようにビジネスとして回しながらもコミュニケーションが成立できているところはそれほど多くないと思う。

笠:ママを受け入れる施設はあるけど、それだとママたちのステータス欲を満たすことは難しいなと思っていて、例えばオシャレなカフェに行ったら写真撮ってインスタにアップするけど、そうでないところだとオシャレ感がないから写真をアップできない。だから私は「ママたちの支援施設」ではなく「OLEA」というブランドを作りたかったんです。外観もわざと無機質感を出して店内とのギャップを作り、外観を見て「これがキッズスペースがある場所なの?」という雰囲気のお店の方が、ママたちの満足感も高くなるかなと。子供を撮る時に一緒に写るものもオシャレな方が良いというママ心理も理解しているので、家具にもこだわっています。

青:一緒に写るものは大切だよね。

笠:フォトジェニックな時代にSNSで映えるような家具をレイアウトしたつもりです。

青:カフェなどに出掛けた時に、撮影してSNSにアップしたい欲求がママたちにはあって、それをオシャレな雰囲気で撮影させてあげることが大切だと。

笠:ママになると子供に手がかかって「美容室にも行けない」「ネイルも行けない」とかいきなりシャットダウンされる現状があって。でも周囲が協力してくれることでママたちの欲求を満たしてあげることができるんです。

小山市OLEAパンのAI画像検出機
小山市OLEAパンのAI画像検出機2
小山市OLEAパン

OLEAのこれから

笠:オープンしてから様々な方に利用していただけて、本当に感謝しています。

子育てしていると気分も落ちる時もあると思うので、一人でも来店しやすいお店づくりをもっと頑張りたいなと思っています。OLEAに来れば誰かと話せて気分転換できたり、店内でパンを食べることで人との繋がりを感じられるなど、もっと足を運びやすいお店になるように心掛けていきたいです。

 小山市に引越しをして来たばかりでお友達がいないママは、知らない土地で郵便局、小児科、市役所など自分でイチから探さないといけなくて不安になります。でもOLEAに来て「引越してきたばかりで友達が居ない」と打ち明けてもらえたら、私が初めての友達になりたいなと思っています。私と繋がることでの輪を広げることはできるので、私が分からなくても、他のお客様にお薦めの病院やお店を教えてもらえます。そういうお手伝いを少しでもしたい。やっぱり「ママにはできる限り輝いて欲しい」というのが私の願いです。

小山市OLEAパン笹井

しもつかれをポジティブに

青:今回、OLEAさんの2周年企画として、我々しもつかれブランド会議とのコラボレーション企画となりましたが、笠井さんは元々しもつかれは好きですか?

笠:実はしもつかれとても苦手で(笑)。「小学校の給食で食べたかもしれない」くらいの記憶しかありません。ワードを聞いだだけで食べるのを控えてきたタイプです(笑)。

青:そこからずっと食べてない?

笠:食べてないです。

青:食べる機会もなかった?

笠:なかったです。親も栃木出身ではないので。

青:苦手だったにも関わらず、今回OLEAさんの2周年企画としてコラボしていただけたのはどうしてですか?

笠:ある方に、しもつかれビスコッティをプレゼントしていただいた時があって、しもつかれが入っていると知らずに息子と食べたんです。息子は小学校6年生で給食にしもつかれが出る日は憂鬱になるんですが、その息子が普通に食べれたんです。その時、なるほどこういう食べ方もあるんだと気付いて、苦手な小学生も食べやすいような「しもつかれアレンジパン」を作れたら良いなと思いました。

青:しもつかれが苦手な子供たちに食べてもらいたいと。

笠:そうですね。OLEAのお客様は子育て世代の方が多いのですが、給食でひと口も食べなかった子がしもつかれアレンジパンを食べて、「次の給食は食べてみようかな」とチャレンジしてくれたら嬉しいなと。

青:僕らからすると「待ってました!」という感覚。子供の頃苦手になる方が多いので、その頃のしもつかれとの出会い方がポジティブであればあるほど、大人になってからでも食べる機会が増えるはずなんです。僕らとしてもボジティブな出会いを作っていけたらと思っていたので、本当に嬉しいです。
 今回、「しもつかれカレーパン」と「チーズパン」を作っていただきましたが、苦労した点はありましたか?

笠:パンに包む際に、しもつかれが水分を多く含んでいるのでベチャッとならないように水分を抜く作業が必要な点ですね。
 カレーパンはしもつかれの素材の味を生かしながらカレーと調和させ、和風カレーパンのような味に仕上がりました。その後、塩分などの調整をしてとても食べやすいカレーパンができたと思います。チーズパンは、しもつかれ自体の風味を残しつつ、チーズの量を調整して苦手な子供も大人も食べやすいようにしました。どちらかというとチーズパンの方がしもつかれの風味を楽しめると思います。カレーパンはしもつかれが入っていることに気付かず食べてしまう人もいるかもしれません。

青:試食させていただきましたが、カレーパンはかなり美味しかったです。何口か食べると後味にほんのりとしもつかれ風味が感じられました。苦手な方でもかなり食べやすいですね。チーズパンは、ちゃんとしもつかれの存在を感じられるので、しもつかれ好きな人にもチーズとの組み合わせを楽しんでいただけると思います。
 しもつかれ自体が非常に栄養価に優れた食べ物なので、気軽に栄養を摂れる料理としてママたちに再認識していただけるキッカケになってくれたら嬉しいです。
 10/14〜18の5日間、楽しみにしています。ありがとうございました。

しもつカレーパン
しもつかれチーズパン
小山市OLEAパン笹井しもつかれパン
しもつかれパンチラシ

開催日程:

開催日:10/14(水)〜18(日)
時 間:水木金 11:00〜18:00 / 土日 10:00〜18:00

 

メニュー:

しもつカレーパン:¥230
しもつかれの素材の味を生かしながらカレーと調和させ、和風カレーパンのような仕上がり。後味にほのかなしもつかれ風味を感じる。

しもつかれチーズパン:¥180
しもつかれ自体の風味を残しつつ、チーズの量を調整して苦手な子供も大人も食べやすいように。しもつかれ好きも楽しめる。

※使用する「しもつかれ」は、栃木市の惣菜店「かねふくストアMAP)」で販売されているものです

 

販売店:

OLEA

  • 住所:栃木県小山市大字粟宮684-1(MAP
  • 電話:0285-32-6730

期間中、店内全品10%オフ!
しもつかれパンは数量限定ですので、お早めに!事前予約も可能です!

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4 コメント

厚焼き 2020年10月8日 - 5:01 AM

読みごたえ、見ごたえある記事でした。笠井さんの想いの詰まったパンは絶対おいしい!ですね。笠井さん、なんだか美しくてカッコイイです!
レジのシステムもなんだかすごいですね!気になる!

Reply
chitosenobi 2020年10月8日 - 5:21 AM

こういうミッションドリブンなベーカリー素敵だよね!応援したくなりますね!

Reply
パイセン 2020年10月8日 - 10:22 AM

惚れちゃう…❤️

Reply
chitosenobi 2020年10月8日 - 1:31 PM

奥様に通報しますw

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