2026年4月1日付で、当会の代表が青栁徹から、同会メンバーであり「しもつかれビスコッティ」等の製造販売を手掛ける川村葉子へと引き継がれましたことをお知らせいたします。
2018年1月の発足以来、栃木県に1000年続く伝統食「しもつかれ」を観光資産としてアップデートすべく活動してまいりました「しもつかれブランド会議」は、このたび新代表・川村葉子を中心とした新体制へと移行いたしました。 体制変更後も、変わらぬご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
退任する旧代表の青栁、および新代表の川村より、皆様へメッセージがございます。
旧代表:青栁 徹よりご挨拶
2018年1月に発足した「しもつかれブランド会議」の代表を退任いたしました。 2016年からスタートした個人活動を含めると、丸10年もの間、しもつかれと向き合ってきたことになります。
これまで延べ50名のメンバーに在籍いただき、メンバー以外の方々からも多大なるご尽力を賜りました。心より感謝申し上げます。
■ これまでを振り返って
この10年における私の役割は、以下の2点であったと自覚しています。
しもつかれの価値の顕在化
これまでにない楽しみ方の提案
2016年、あるきっかけで「しもつかれ」を深く調べる機会がありました。知れば知るほど、栃木県内での評価が不当に低いのではないかと感じたことを覚えています。
私はデザイナーの仕事の本質を「価値の加速と転換」だと考えています。価値あるものはスピーディーに浸透するよう「加速」させ、逆に価値がないと思われているものに対しては、デザインの視点や見せ方によって「転換」を目指す。私にとって「しもつかれ」は、後者の素材として最高に魅力的な存在に映りました。
東日本大震災以降、「これからのグラフィックデザイナーは、単に良いビジュアルを作るだけでは淘汰される」と考え、ブランディングを学び始めた時期でもありました。価値の転換ができるデザイナーとしての姿勢を可視化する上で、これ以上の素材はありませんでした。
多くの方から「青栁さんはしもつかれ愛がすごい」と言われてきましたが、これまでも公言してきた通り、これは「愛」というより、自分自身のブランディングツールとして、あるいは自分自身のために、ある種打算的に使い倒してきたというのが本音です。
おかげさまで、グラフィックデザイナーという肩書きに「しもつかれおじさん」が加わりました。活動を通じて私の思想やデザインスキルを多くの方に知っていただく機会となり、仕事の幅も大きく広がりました。世界初の「しもつかれ婚」の当事者にもなり、しもつかれには感謝しきれません。
■ 退任の理由
理由は大きく分けて2つあります。
1. 新陳代謝
同じ人間が代表を務め続けると、思考に偏りが生まれます。会の外でも「青栁の考えが正解」のように受け止められてしまうことがありますが、それは本意ではありません。しもつかれは多様であり、正解のない料理です。だからこそ懐が深く、多様な価値観を受け止めてくれます。代替わりによって価値観の新陳代謝を促し、私とは異なる新たな流れを生み出すことが目的です。
2. 次なる挑戦
私自身の次なる挑戦のために「手放す」ことも理由の一つです。2016年当時のデザイナーの在り方と、これからの時代に求められるものは全く異なります。デザイナーとして新時代に向けて、そして残りの人生において何を成し遂げるかを考えた時、今新たに動き出す時だと考えました。
■ 今後について
代表を退くだけでなく、会からも退会し、しもつかれ活動から離れます。在籍したままでは、どうしても私の影響力が残ってしまうと考えたからです。 新代表の川村さんには、「私のやり方を一切踏襲せず、自らのやり方でやりたいことを実現させてほしい」と伝えています。そして、彼女が「しもつかれの第一人者」として広く認知されることを願っています。
食のプロである川村さんは、私のようなクリエイティブからのアプローチではなく、得意分野である「食」に特化したアプローチが可能です。私が見てきた世界線とは異なる、新たなしもつかれの世界が生まれるはずであり、それが何よりの楽しみです。
同じことを続けるのは停滞ではなく「退化」です。しもつかれ本来の食としての価値を引き出してくれる、新代表の手腕に期待しています。皆様におかれましても、私とは異なる新たなアプローチを楽しんでいただければ幸いです。
■ 最後に
「しもつかれうぃーく」をはじめ、私の突飛なアイデアにお付き合いいただいた皆様、サロンメンバーのみんな、本当にありがとうございました。皆様のご尽力があったからこそ、しもつかれの可能性は大きく広がり、認知も高まったのだと確信しています。
しもつかれの素晴らしさは疑いようもありません。その可能性を信じ、私以上に楽しみ方を広げる方がたくさん現れることを願ってやみません。
これまで本当にありがとうございました。 生まれ変わった「しもつかれブランド会議」に、今後とも変わらぬご支援をお願い申し上げます。
新代表:川村 葉子よりご挨拶
次の代表をさせていただくことになりました、川村葉子(ハコ)です。
しもつかれとの出会いは幼少のころ、祖母の作ったしもつかれと、ご近所からのおすそわけでいただいたしもつかれです。子供のころはあまりおいしいものとは思えませんでしたが、20才ころに食べたしもつかれの味の違いとおいしさに衝撃をうけ、いろいろなしもつかれがあることを知り、その後、自分でもつくるようになりました。
しもつかれブランド会議については、初代代表の青柳さんがSBM を立ち上げるために開いたイベントに参加し、その後メンバーとして、しもつかれ作り、アレンジ料理などいろいろなことに挑戦させていただき、現在に至ります。
事業として菓子工房をしており、メンバーの方々に意見をもらいながら作った、しもつかれビスコッティやガトーしもつかれは、いまでも作り続け、8年位になります。
また、県内の食と農に関わり食育活動などもしており、時々小学校にてしもつかれづくりの授業などをさせていただいております。
郷土料理としてのしもつかれは、この地域の財産だと思っています。私なりにできること=細々とでも作り続けることで、しもつかれを次世代へつなげることへの一端になれればと考えております。
■しもつかれブランド会議の活動方針は主に2点
毎年しもつかれづくりをする、しもつかれの作り方の教室を開くなど、しもつかれそのものの活動を続けること。
メンバーがしもつかれ関連でやりたいことを考えている場合、それについてできる範囲で、みんなで共有し盛り上げに協力すること。
しもつかれの価値を伝えるものなら、食そのものでなくともよく思います。
これまでの活動から、その価値は、歴史的背景・精神性を含め、文化的なものまで多岐にわたることを学んできました。今後は、より、次世代につなぐための活動が中心にできればと思います。
ここまでお読みいただき「しもつかれ」にご興味をお持ちの皆様、ありがとうございます。ぜひ、しもつかれを共に楽しんでまいりましょう。